レトロの建造物が残る港町『門司港レトロ』

門司区
北九州市門司区にある、レトロな街並みで人気の観光スポット『門司港レトロ』について紹介します。

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概要

明治・大正・昭和の建造物が残る港町


門司港レトロは、北九州市門司区の海沿いにある、明治・大正・昭和時代の建造物が多く残るエリアです。

美しい景観から、国土交通省の都市景観100選や、土木学会デザイン賞2001最優秀賞を受賞していて、県の内外から多くの観光客が訪れています。

対岸の山口県下関市の唐戸と、関門海峡にある巌流島への定期航路があり、県をまたいでの観光も人気です


外国貿易で栄えた港町


門司港は、明治時代に特別輸出港に指定されたことで、海外との玄関口として栄えました。

そのため門司港レトロの建造物は、当時の外国貿易に関連しているものが多いです。

例えば、門司港駅のすぐ近くにある『北九州市旧大阪商船』は、かつて存在した日本の海運会社『大阪商船』の門司支店で、大阪から門司を経由して、北海道や東アジアとの貿易を行っていました。

また『旧大連航路上屋』は、門司港が国際的な貿易港であった名残で、今でいう国際線ターミナルの役目を持っていた建造物です。

同じように特別輸出港に指定されていた北九州市の若松港も、洞海湾の海岸沿いにレトロな建造物が残っています。


見どころ

レトロな建造物

門司港レトロ地区には、レトロな建造物が多数あります。

ここでは、その一部を紹介します。

門司港駅


門司港駅は、JR九州鹿児島本線の駅のひとつで、路線の起点でもある駅です。

ネオ・ルネッサンス様式と呼ばれる左右対称の外観が特徴で、駅舎内はその辺の駅にはない、とてもレトロな雰囲気となっています。

国の重要文化財に指定されており、現役の駅舎で重要文化財に指定されている駅は、この門司港駅と東京駅丸の内駅舎のみということで、非常にレアな場所です。

現在の駅舎は、1914年(大正3年)に建てられたもので、2019年(平成31年)には、6年にも及ぶ復元工事が行われています。

現在は『門司港駅』なのですが、1891年(明治24年)に開設された当初は、九州鉄道の『門司駅』でした。

その後関門トンネルが開通した際に、本州の山陽本線につながる駅の名前を大里駅⇒門司駅と改称することになったため、門司駅⇒門司港駅というふうに名前が改称されました。

駅舎の中には、九州鉄道の起点を表す『0哩ゼロマイル』、門司港に帰り着いた引揚者や復員兵が飲んだという『帰り水』、戦時中の金属供出から逃れた『幸運の手水鉢』といった見どころも多数あります。

旧大連航路上屋


門司港は、神戸や大阪から中国の大連や台湾といった東アジアへ向かう人や物資の中継地点としても栄えました。

旧大連航路上屋は、この日本と東アジアを結ぶ国際航路のターミナル施設として使われていた建造物です。

上屋うわや:輸出入する物資を一時的に保管し、荷さばきを行うための施設のことです。

1929年(昭和4年)に、国会議事堂などを手掛けた大熊善邦の設計で、『門司税関1号上屋』として建設されました。

幾何学模様が取り入れられたアール・デコ様式で、建設当時は最先端のデザイン様式でした。

現在では、当時の資料の展示のほか、映画・芸能資料を展示する松永文庫、多目的室が多数設置されイベントや、文化・芸術の発表の場として使われています。

北九州市旧大阪商船


大阪商船は、大阪から門司を経由して、北海道や東アジアとの貿易を行っていた海運会社で、北九州市旧大阪商船の建造物は、貿易の中継点である門司の支店として建てられました。

1917年(大正6年)建設され、国の登録有形文化財に登録されています。

1964年(昭和39年)に大阪商船と三井船舶の合併後は、『商船三井ビル』と呼ばれ、1991年まで実際に使用されていました。

茶色のレンガで彩られた西洋的な外観と、八角形の塔が印象的です。

現在、1Fには雑貨店と『カフェ・マチエール』、北九州市出身の漫画家・イラストレーターであるわたせせいぞうさんのギャラリーが入っています。

北九州市旧門司三井倶楽部


北九州市旧門司三井倶楽部は、1921年(大正10年)に三井物産門司支店の社交クラブとして建築された建造物です。

国の重要文化財に指定されています。

洋風の本館と、和風の付属屋・倉庫で構成されています。

本館2Fには、1922年(大正11年)にアインシュタインが宿泊した部屋があり、『アインシュタインメモリアルルーム』として、当時のままの状態で展示されています。

また、門司区の小森江が出生地とされる林芙美子の資料室も併設されています。

本館1Fは、レストラン『三井倶楽部』があります。

旧門司税関


旧門司税関は、1912年(明治45年)3月に建設された、門司港で輸出入貨物の監督や税金の徴収などを行っていた『門司税関』の2代目の庁舎です。

1927年(昭和2年)に、3代目の門司税関庁舎となる旧合同庁舎が完成するまで使われていました。

庁舎として使用されなくなってからは倉庫として使用されていましたが、1991年(平成3年)から復元工事がされ、1995年(平成7年)に現在の外観となりました。

現在は、1Fに門司税関広報展示室と果物屋さんのカフェ『Mooon De Retroモーン・デ・レトロ』が営業されています。

2Fはギャラリー、その上には展望室が設けられています。

カフェ『Mooon De Retro』は、門司港レトロでもかなりおすすめのカフェです。
新鮮なフルーツを使ったパフェや飲み物、そしてカフェなんですがフルーツそのものも売っています!

九州鉄道記念館


九州鉄道記念館は、門司港レトロ地区にある鉄道に関する博物館です。

本館は、明治24年(1891年)に建てられた旧九州鉄道本社で、国の登録有形文化財に登録されています。

屋内施設としては、鉄道に関する常設展示や特別展、明治時代の客車の再現や運転シミュレーターなどがあります。

屋外展示には、九州各地で活躍した機関車や懐かしの車両など、9車両が展示されています。

鉄道好きのお子さんからご年配の方まで、多くのお客さんで賑わっている人気スポットです。

関門海峡ミュージアム


関門海峡ミュージアムは、関門海峡の歴史、文化、自然などを学べる体験型博物館です。

博物館内は、有料と無料のエリアで分かれていて、プロムナードデッキ、カフェ、展望デッキ、海峡レトロ通りに関しては無料で入館できます。

有料エリアの展示では、ただモノを展示しているだけでなく、映像や音楽、ゲームで楽しみながら学べる展示が多くあり、お子さんに大人気です。

無料のエリアの海峡レトロ通りでは、室内に大正時代の門司港が再現され、当時の建物や路面電車、バナナの叩き売りの威勢のいい声が聞こえてきます。

関門海峡が5階の展望デッキで、行きかう船をのんびり眺めるのもおすすめです。

だいぶ前ですが、展望デッキから潜水艦が航行していました!

北九州銀行レトロライン『潮風号』

北九州銀行レトロラインは、九州鉄道記念館からめかり地区までを結ぶ平成筑豊鉄道の路線で、その路線を走る観光列車が『潮風号』です。

普通鉄道としては、全国初で観光に特化した鉄道で、沿線には九州鉄道記念館駅、出光美術館駅、ノーフォーク広場駅、関門海峡めかり駅の4駅があります。

混雑具合や乗り換え時間の有無で多少変わりますが、往復約30分程度で往復できます。

基本的に土日祝日のみの運行で、ゴールデンウイークや夏休みなど時期によっては毎日運行されていることもあります。

運航日や時刻表などは、下記の公式サイトで確認してください。
https://www.retro-line.net/


門司港レトロ展望台


門司港レトロ展望台は、門司港レトロ地区でも非常に目立つ高層マンション『レトロハイマート』の31階にある展望室です。

高さ103mで、門司港レトロはもちろん、関門海峡や下関方面も余裕で見渡せる絶景ポイントです。

22:00(最終入館は21:30)まで開いているので、夜景も楽しむことができます

マリンゲートもじ&関門海峡周遊船

マリンゲートもじと門司港レトロ内桟橋は、どちらも門司区に本社がある関門汽船が運営しているフェリー乗り場です。

マリンゲートもじは、門司港と下関の唐戸を結ぶ関門連絡船の乗り場で、門司港レトロ地区でも南側にある桟橋です。

巌流島への連絡船と、関門海峡の解説を聞きながら乗船できる『海峡クルージング』を楽しめます。

門司港レトロと一緒に巌流島や唐戸方面も楽しみたいという方で、休日は特に賑わっています。

門司港レトロ内桟橋は、関門海峡のクルージング船の乗り場で、海峡プラザの近くにあります。

ブルーウィングもじ


ブルーウィングもじは、門司港レトロ内にある、全国で最大級の歩行者専用のはね橋です。

その名の通り青い橋で、南側の岸から約24mの親橋が、北側の岸から約14mの子橋が架かっています。

門司港レトロ内桟橋などに停泊している船が関門海峡に出るタイミングのほか、10:00~16:00の間は1時間に1回の間隔で跳ね橋が上がります。

恋人の聖地』に認定されていて、カップルが一緒に渡ると幸せになれるといわれています。

バナナの叩き売り


門司港は、独特の口上でお客さんを引き寄せてバナナを売る手法である『バナナの叩き売り』の発祥の地とされています。

大正時代初期、バナナを日本に輸入してきた船が、輸送中に熟成が進みすぎたバナナを港で売りさばいたのが始まりといわれています。

門司港レトロ地区では、土日の13:00から門司港レトロ観光物産館港ハウス前などでバナナの叩き売りが実演されています。

最初は高い値段から始まり、『高い!』『まけて!』といった掛け声で値を下げていく方式がとられています。

興味がある方は、ぜひ参加してみましょう!

焼きカレー


門司港は、焼きカレーの発祥の地とされています。

明治時代から外国との貿易で栄えた門司港には、数多くの洋食店が軒を連ね、様々なメニューが考案されてきました。

焼きカレーもその中の1つで、昭和30年代のとある喫茶店で、カレーをドリア風にしてオーブンで焼いたところ大変おいしく、のちに大人気のメニューとなったといいます。

現在の門司港でも、ちょっと歩けば『焼きカレー』の看板やのぼりが上がった飲食店に当たるくらい人気のご当地メニューとなっています。

個人的なおすすめは、門司港レトロ海峡プラザにある『ナンダン』です。
インド料理屋さんなので、インドカレー風の焼きカレーが食べられます。
門司港にある焼きカレーの中でも異彩を放っているので、ぜひ一度行ってみてください!


ノーフォーク広場


ノーフォーク広場は、門司区とゆかりのあるアメリカのバージニア州ノーフォーク市にちなんで作られた広場です。

門司区とノーフォーク市の関係は1958年(昭和33年)までさかのぼります。

門司港に寄港した大阪商船の新造船『ほのるる丸』に、その処女航海を祝うために当時の門司市長が『風師人形』を送りました。

その後、ほのるる丸がノーフォーク港に寄港した際、風師人形と門司市の様子が新聞で紹介され、それを見た当時のノーフォーク市長が市の象徴であるロイヤルメイスの複製とメッセージを門司市に贈りました。

これを機に両市に縁ができ、翌年ノーフォーク市長から門司市と姉妹都市になりたいとの文書が届き、この申し入れを受けることが決定されました。

その後もたびたび両市(門司市⇒門司区)は交流を続け、1986年(昭和61年)にノーフォーク広場が完成しました

関門トンネル人道


九州と本州をつなぐ関門トンネルですが、世界でも珍しい人道が併設されている海底トンネルです。

幅4m、長さ約780mのトンネルで、歩行者は無料、自転車・50cc以下の原付は20円で利用することができます。

地下約60m下のトンネルまでは自転車や原付も余裕で乗れる大きなエレベーターで降り、トンネル自体はゆるい傾斜があるものの、ほぼ平らな道となっています。

九州と本州を渡る本来の用途のほか、天候に左右されないウォーキングやジョギングのコースとしても親しまれています。

詳細情報

公式サイト https://www.mojiko.info/
営業時間 施設による
利用料金 施設による
駐車場 付近に有料駐車場が多数あり
住所 〒801-0852
福岡県北九州市門司区港町
お問い合わせ 門司港レトロ総合インフォメーション
093-321-4151(9:00〜18:00)

近くの見どころ

和布刈公園
和布刈神社

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