旧日本海軍艦艇製の堤防『軍艦防波堤』

若松区
北九州市若松区にある、軍艦でできた防波堤『軍艦防波堤』(正式名称:響灘沈艦護岸ひびきなだちんかんごがん)について紹介していきます。

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概要

3隻の駆逐艦でできた防波堤

軍艦防波堤は、その名の通り軍艦でできた防波堤です。

若松区の港にある軍艦防波堤は、770mの防波堤のうち約400mが、旧日本海軍の駆逐艦涼月すずつき』『冬月ふゆつき』『やなぎ(初代)』で構成されています。

作られた当時は船体そのものが防波堤として機能していましたが、長年風雨にさらされ続けたことによる劣化や、金属泥棒に船体の一部を盗まれたりしたため船体がボロボロになり、まず涼月・冬月がコンクリートで完全に埋められ、その後、柳(初代)も船体の上部を残しコンクリートで埋められました。

現在では、柳(初代)のみ船体を見ることができます。

太平洋戦争が終結した際、旧日本海軍艦艇は、賠償として連合国側に引き渡されたり、解体されたりしましたが、一部が防波堤として再利用されたそうです。


見どころ

柳(初代)

柳(初代)は、旧大日本帝国海軍の桃型駆逐艦の4番艦になります。

全長88.39m、最大幅7.62mと、軍艦堤防を構成する駆逐艦の中で最も小型です。(涼月、冬月ともに全長約134m)

1917年に建造され、地中海や揚子江水域の作戦に参加し、1940年に軍を除籍後は、佐世保海兵団の練習船として使用されました。

その後、若松の軍艦防波堤となりました。

現在では、コンクリートで囲まれた船体上部のみ見ることができます。

錆でボロボロではありますが、はっきりと『船』と認識できる形をしています。

一緒に防波堤となっている冬月、涼月は、戦艦「大和」の護衛のため沖縄に出撃した駆逐艦として知られています。

さらに涼月に関しては、戦時中に何度大被害を被っても生還したことから、『不沈艦』の伝説がある艦艇です

周りの景色

軍艦防波堤がある場所は非常に開けています。

若松や戸畑の工場地帯、遠くには若戸大橋皿倉山まで、海沿いの風景が楽しめます。

地元の釣りスポットでもあり、景色を楽しみながら釣りをするのも楽しそうです。

高塔山の慰霊碑

高塔山の一角に、軍艦堤防となった3艦艇を含む戦没者慰霊碑が建立されています。

軍艦堤防を見た後は、こちらにも立ち寄るのもよいかもしれません。

車で行けなくもないですが、道が非常に狭いので、軽自動車など小さめの車をおすすめします。

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注意事項

強風注意

軍艦堤防は海沿いの非常に開けている場所にあるので、かなり風の影響を受けます

風が強い日は、正直怖いくらいの風が吹きます。

周りの風景を楽しむためにも、天気の穏やかな日に訪れましょう。

詳細情報

公式サイト
営業時間
利用料金 無料
駐車場 無し(手前に車道が非常に広いので路駐する車が多いです)
住所 〒808-0021
福岡県北九州市若松区響町1丁目
お問い合わせ 093-761-5321(若松区役所)

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