河童伝説とアジサイの名所『高塔山公園』

河童の伝説と美しい景色が魅力な高塔山公園について紹介していきます。

概要

洞海湾を臨む高塔山山頂の公園

高塔山公園は、標高124メートルの高塔山の山頂にある公園で、広場や展望台、公園や音楽堂などがあります。

展望台からは北九州市が一望でき、昼はもちろん夜も多くの人が景色を楽しんでいます。

春から夏にかけては、桜やアジサイ、つつじなど、美しい花が咲き誇り、特にアジサイは若松あじさい祭りが行われるほど、株数も種類も多く植えられています。

かっぱ封じの舞台

高塔山公園の展望台近くの一角に小さなお堂があり、中にはかっぱ封じの地蔵尊が安置されています。

このお地蔵さんの背には大きな釘が刺されていて、その釘で河童を封じ込めているといわれています。

そしてその伝説をもとに、若松出身の作家・火野葦平の小説『石と釘』が執筆されました。

どんな話か簡単に解説すると、

昔、島郷（しまごう）と修多羅（すたら）に棲む河童は仲が悪く、毎晩空中戦を繰り返していました。
空中戦が行われた次の日の朝、田畑には死んだ河童が溶けた臭い苔のようなものが浮いて、近隣の住人はとても困っていました。

この話を聞いた堂丸総学（どうまるそうがく）という修験者が、石の地蔵に向かって河童を封じる祈祷を行いました。

河童たちの妨害をものともせず何千べんも祈祷したところ、石の地蔵がもちのように柔らかくなり、その背中に1尺（約30cm）の大釘を打ち込みました。

釘がようやく半分入った時、堂丸総学は力尽きて倒れ、同時に河童たちは木の葉のように落ち、青いどろどろの液体となって流れていきました。

実はこの釘、いたずらで抜かれたことが何度かあります。

見どころ

高塔山展望台

高塔山の展望台からの景色が素晴らしく、若戸大橋、皿倉山、響灘を一望することができます。

令和4年に、北九州市の夜景は日本新三大夜景都市に選ばれていて、高塔山からの夜景ももちろん含まれます。

この夜景を求めて、夜でも多くの人が訪れます。

時期によっては夜でも駐車場がいっぱいなこともあります。

若松区と戸畑区をつなぐ『若戸大橋』

北九州市の若松区と戸畑区を隔てる洞海湾。そこに架かる真っ赤なつり橋『若戸大橋』を紹介していきます。

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若松あじさい祭り

高塔山には、日本の山に古くから自生してきた山アジサイと、海外で品種改良された西洋アジサイが植えられています。

若松あじさい祭りでは、山アジサイが見頃となる5月下旬から6月上旬にサブイベントが、西洋アジサイが見頃となる6月中旬にメインイベントが開催されます。

どちらのイベントでもあじさいウォークガイドが行われ、見頃のアジサイの解説を受けることができます。

屋台やガーデニング関係オンリーのフリーマーケットなど、様々な催し物があるメインイベントのほうが、訪れる人も多くにぎやかです。

しかし、西洋アジサイにはない個性的な色や形の山アジサイは、見頃が早いのでサブイベントでしか楽しめません。

ぜひ、両方のイベントを楽しんでください！

火まつり行事

毎年7月下旬の夜に、若松駅隣の広場からたいまつを持って高塔山に登るという火まつり行事が行われます。

これは、若松出身の作家・火野葦平が、高塔山の頂上で河童を招待する祭りを初めたのがきっかけで、これに賛同した多くの人々がたいまつを掲げて高塔山を登ったのが始まりです。

山肌を無数のたいまつが照らす光景は、とても幻想的です。

町中でたいまつを持って歩ける行事は珍しいのではないでしょうか？

地元の人でなくても事前に申し込みすれば参加できるので、夏休みの思い出にぜひ！

ほかにも見どころいっぱい！

高塔山公園にあるおすすめスポットとしては、次の場所があります。

・県木の森
　→日本地図の形をした花壇に、日本全国の県木が植えられている

・万葉植物園
　→万葉の歌にちなんだ植物が植えられている

・仏舎利塔
　→仏舎利（釈迦の遺骨）が祀られている

・野外音楽堂

・火野葦平文学碑

遊具のある公園もあるので、休みの日にお子さんと一緒に訪れるのもおすすめです！

注意事項

害虫、害獣に注意

高塔山は自然に囲まれているので、蚊やハチ、マダニといった害虫や、滅多に出ませんがイノシシやサルといった害獣が生息しています。

害虫については虫よけを、害獣については出没情報を確認するようにしましょう。

詳細情報

近くの見どころ

玄海遊歩道