洞海湾を渡る市民の足『若戸渡船』

通勤通学の強い味方、洞海湾を渡る航路の若戸渡船を紹介していきます。

概要

若松と戸畑を結ぶ市民の足

若戸渡船は、若松区と戸畑区の間にある洞海湾を渡るための北九州市営の航路です。

利用できるのは旅客または自転車です。

若戸大橋は自転車で走ることができないので、自転車で若松区⇔戸畑区を行き来したいという方は、こちらの若戸渡船を使いましょう。

自転車で通勤通学をしている方や、自転車ツーリングの方も多く見かけます。

若戸大橋ができるまでは唯一の交通手段

若戸渡船の歴史は古く、1889年ごろに当時の若松村や戸畑村による公営となる以前から、地元の地主によって運航されていました。

若戸大橋ができる前までは、渡船が若松区と戸畑区を結ぶ唯一の交通手段で、旅客船はもちろん貨物渡船も就航していました。

最盛期の利用客数は非常に多く、最大定員ギリギリなこともあったようです。

1930年の若松恵比寿神社の春季大祭の時期には、乗客179名中72名が死亡するという痛ましい沈没事故も起きています。

この事故が若戸大橋建設のきっかけの1つとなり、1962年に若戸大橋ができました。

若戸大橋が完成したことにより、船で物資を運ぶ必要がなくなったので、貨物渡船は廃止となりました。

さらに旅客部門も廃止の予定になっていたようですが、利用客の強い要望で現在まで運行され続けています。

接続する交通機関はバスが便利

最寄りのJRの駅として若松側は若松駅、戸畑側は戸畑駅があります。

しかし、徒歩だと10～15分と地味に距離があり、季節が良い時期ならともかく暑い夏や寒い冬はちょっと辛いことも。

なので、目の前に停留所があるバスを利用するとよいでしょう。

特に若松側は、海沿いのレトロな風景を楽しむことができるので、季節が良い時期は歩くのもおすすめです。

就航している船舶は2隻

2023年現在、若戸渡船として就航しているのは次の2隻です。

基本的に2隻同時に運航していることはなく、どちらか1隻がピストン運航しています。

第十八わかと丸

2隻あるうちの、大きくて白いほうが第十八わかと丸です。

定員140人で、2階席があるのが特徴です。

利用客の多い時間帯は、こちらが就航している印象です。

くき丸

2隻あるうちの、小さくて緑色のほうがくき丸です。

定員110人で、2階席はありません。

なんとなく、こちらのほうが水面に近くて迫力がある印象です。

見どころ

お手軽3分間のクルージング体験

若戸渡船は、若松区と戸畑区を約3分で結んでいます。

その3分間で、洞海湾沿いの工場や街並みや、上に架かる若戸大橋などの風景を楽しめます。

何年か前に洞海湾にイルカが現れたこともあり、運が良ければ変わった出会いがあるかも！？

貸切船で洞海湾クルージング

第十八わかと丸を貸し切った洞海湾クルージングを楽しむことができます。

料金は、50名まで40,000円、51名以上1名増すごとに800円です。80名まで乗ることができます。

コースについては、下記のサイトで確認してください。
https://www.city.kitakyushu.lg.jp/san-kei/10800003.html

注意事項

貨物船待ち

洞海湾は大きな貨物船などが行き来します。

そのため、貨物船が通り過ぎるのを待つために定刻通りに出航できなかったり、貨物船が起こす波に船が揺られたりということもあります。

さらに、貨物船が通った後や風が強い日は、波でかなり揺れることも。

乗り物酔いがある方は、3分といえども気を付けたほうがよいでしょう。

天気によっては航行できない

次のような天気の時は、若戸渡船が航行できなくなることがあります。

• 豪雨
• 霧
• 強風・台風

豪雨と霧については視界が悪くなって航行が危険なことが、強風・台風については波が高くて危険なことが、それぞれ欠航の原因かと思われます。

欠航時は、若戸渡船の公式X（旧Twitter）や最寄りの駅に情報が出るので、最新の情報に注意しましょう。

ゲリラ豪雨が起こったりすると、あっさり運休になってしまいます。

詳細情報

近くの見どころ

若松区と戸畑区をつなぐ『若戸大橋』

北九州市の若松区と戸畑区を隔てる洞海湾。そこに架かる真っ赤なつり橋『若戸大橋』を紹介していきます。

kitakyuyoitoko.com

由来は玉石『若松惠比須神社』

洞海湾にゆかりのある神社『若松惠比須神社』について紹介していきます。

kitakyuyoitoko.com